1923年8月1日~11日(嘉三14歳)

8月1日 水曜日 晴

朝、片庭に行ったせいか、寝坊をしてしまった。
地代の事で、人車※の事務所から木砂さんの所までいってきた。
帽子を一つ買った。
田村君の家で夏季学習帳を手伝ってやった。
今は昨日にくらべて涼しい。
午後田村君と川に水泳に行くと川で星等にあってしまった。
中江自転車店に行って、自転車を修繕を依頼してきた。
大町七木屋でたびを買ってきた。

※人車―笠間駅前から稲荷詣での人々の為、人力による路線がひかれていた。

8月2日 木曜日

今日は山に行くので、朝起をした。
八時、中江自転車店まで田村君と同乗。
それより稲田の百姓家まで行き、山にのぼりはじまった。
す取?をして十時半頃うまいうまい、だんでにした。
つづみ十二時頃から二時まで休んで、又始まった。
そろそろ着物まで汗が染みこんでくる。
仕事にあきてくる。あつさにつのるところでまた休憩。
一息入れて夕方までやった。
足は棒のようになる。山本さんの所にあした〇〇〇〇がはねる内に、二人の家に帰ってきた
所。又自転車で帰る途中チェーンがはづれて困る。
河村自転車店で〇〇をして家に帰り、七時半湯に入りすこし話をして、ねてしまう。

8月3日 金曜日 晴

今日も山に行った。農家から山に行き、十二時頃になった時、軽気球を見つけて、双眼鏡で見た
晝に農家に帰り、水泳に行った。水の綺麗なのには驚いた。
帰りは小百合を取ってきた。今日七百の〇〇で昨日より五十幾本が多い。
家に帰り湯に入りて、後演芸館で琵琶をきっに行った。

8月4日 土曜日 晴

朝四時頃、米屋に泥棒が入ったそうだ。
刑事や巡査が裏の方にきた。
榮君を見た(初対面)。
又山に行った。
農夫日足で山に行き、昼には三時半まで寝たので、はかがいかぬ。
五時に帰り山本さんの所に行った。
光君と騒いてから、八幡屋で〇さやって遊んだ後、町に買い物に行ってきた。

8月5日 日曜日 晴

朝八時頃いって、河村自転車で修理の賃を払ってきた。
農夫の共に山に登り、さっそく始まった。
辨當(べんとう)の時、高臺(たかだい)に登った。
ひとは町やステイションを見た。〇後雷においてはれ。
農家に帰るときはぬれ鼠とはいやはや。

8月6日 月曜日 晴

今日はきおん(祇園祭)なので休み。
片庭の茂ちゃん※や〇〇さんがきた。
妹らが町に行った。
川に水泳に行った。
夜、茂君や重保君が町に行ったので、一人で早く寝てしまった。

※片庭の茂ちゃんー田中政吉さんの子か。それなら嘉三の従弟で良さんの兄に当る。未検証。

8月7日 火曜日 晴

朝、山本さんを起こして祭りで、又山に出かけた。
半日で終わると思ったら、あしたもかかるとは。
十二時頃から雷に追われ、帰り農夫の家で三十〇さとりと出かけてから、又雨に降られ、又岩瀬町で休んだ。
帰ってきてから、川に水泳に行き、青木君にあった。
夜八幡屋で遊んだ。

8月8日 水曜日 晴

いよいよ今日で山行きも終わりとなってしまった。
山の方は昼前に終わったので、農夫の家で昼を食べ、計算をした後、〇さんの○○に行って、帰り川で水泳をしてきた。そろそろ雷がなりだして、帰ってきた。
帰りに山本君の室に行、種々話をしている内に、雷雨が始まって、戸をしめるやら、大騒ぎ。
夜は土浦に行くことにきまった。

8月9日 木曜日 晴

今日は山に行かない。
朝寝をした。性学の本をよんで吉田にいってきた。
水泳に行き、又田村君やデブ君等と水泳に行く。
今も雷が鳴りたしたが、雨が降らない。
一夜田村君の家で遊んだ。
六郎※君がいたので、性学を話をして遊んだ。

※六郎―片山六郎か

8月10日 金曜日 晴

朝、田村君が土浦に行くかと云いにきた。
私は「行く」と云っていたが、時間はせまったり、用意はできないので、
二度目に「行かない」と云はせた。
○○の汽車がこむから、山本さんがやってきて、行こう行こうと云ったが、
予は行かなかったな人だが、母がうらめして、○○○○〇十時頃まで寝てしまった。
湯はいって早く寝てしまった。
真壁に手紙をだした。

日記の一覧に戻る