8月11日 土曜日 晴
朝起きると、山本さんの土産があった。
ドウを一本盗まれた。
朝顔が一つ咲いた。
田村君の家に行った。
重夫さんと川に水泳に行った。
昼頃、山本さんがきた。
又川に水泳に行ってきた。
田村君の家に遊びに行った。
夜山本さん等と遊んだ。
田村君と寝言の
「お榮ちゃんよ、お榮ちゃんよ、お榮ちゃんよ」 はいやはや、雷がやってきた。
8月12日 日曜日 晴
朝寝坊する。
重夫君が自転車で帰ってので、山本さんと小見に行くことができなかった。
毎日ごろごろして居るせいか、動くのがいやになった。
午後川に水泳に行く。
八幡屋で碁をやった。
四時頃から五時頃まで、昼寝をした。
山本さんの所に行って遊んできた。
夜田村君の家で遊んだ。
8月13日 月曜日 晴
朝六号の講義録を読む。
八幡屋で碁をやって遊んだ。
山に行ってくる。
後、田村君の家で本を讀む。
東京三輪のお婆さんがきた。
〇君、田村君らと堰の上に水泳に行って、一時間半も水の中で遊んできて帰ってきて、
馬廻に行くなのだが、雷様のおかげで行かずにすんだ。
雷がそうそうやってきた。
夜八幡屋で遊んだ。
8月14日 火曜日
朝工場に行っておがくずをもらってきた。
氷屋で氷を買ってきた。
私の家の図面を画いた。
八幡屋で碁をやって遊んだ。
午後堰の上に水泳に行く。
二時間水泳をしてきた。
四時頃から五時まで昼寝をした。
夜田村君の所から少し手倶楽部をかりてきた。
8月15日 水曜日 晴
朝氷屋に行ってきた。山本さんが小見に行った。又夕方くるそうだ。
十六日に市毛で芝居があるそうだ。八幡屋で碁をやって遊んだ。
父がきた。午後堰の上に水泳に行き、成田君と溺れはぐった。
帰ってきて空模様が悪くなってきた。雷がくるのかと思ったら、雷はきなかった。
田村君に昨日かりた本をかへした。青木君がきた。
夜八幡屋で碁をやった。磯さんが二、三日前から気がふれだした。
8月16日 木曜日 晴
朝山本さんと小見に八時二十八分の汽車で出かけた。
福原で下車した。馬に荷を負わせ歩いて小見にきた。
なかなか遠い所。また坂ばかり。小岩なので足がくたびれてきた。
小見の官舎に着いて、昼頃、家の掃除した。一休。
川に行ってきた。つかれたせいか足がだるい。
官舎は閑静でよい人が質ぼくで親切だ。
夕方〇〇屋の云う旅屋で湯をもらった。
夜は早く寝てしまった。
8月17日 金曜日 曇り
朝おきて掃除をする。洗濯をして居ると、田村君と高デブ君がやってきて、
明日くるはけであたの所、突然きたので驚いた。魚を持ってきた。
あいにく山本さんがいなかったので、魚しょぶんに大騒ぎで俎板や包丁をさがし大騒動した。
やっと魚の料理ができた。
遊んで居る内に晝になったので、おはち(鉢)をからにしてしまった。
晝から遊び、二時頃掃除をして遊んでいると山本さん等がきたので、湯にはいり、御はんを喰べた。
二人おおくなったせいか、うまく御はん出ないはいるは、いるはまだ足りないやうな気がする。
二時頃小馬鹿の人がきて面白かった。
夜は又早く寝てしまった。
8月18日 土曜日 曇り
朝五時起きて掃除をして、飯を喰べて、山本さんは小見に行った。
三人は便所と風呂と溝を掃除した。少し英語を練習して、後遊んだ。
田村君は寝てしまった。
晝には騒ぎなから喰べた。
晝からは、晝寝をして、今日は山本さんが早かったので、湯をはかし(沸かし)て、
少こし庭で遊んだ後、湯にはいり後、夕飯をしてから田村君や高デブ君と〇〇を○○遊んだ。
夜寝てから起きて遊びだした。十時頃だった。
8月19日 日曜日 晴
朝起きると、田村君に昨晩の話を眠った様子できいていたので、大笑いをした。
日曜でも山本さんは又山に行った。
明日は田村君の家で法事をするので、あるのだから田村君と高デブ君は帰った。
私は途中まで送っていってやった。これからは一人で居なければならない。
淋しいわけだ。帰ってみると山本さんの瓣當(弁当)と手嚢(袋)があった。
山本さんがわすれていたのだらう。
湯を汲んで居ると爆音勇ましく空に飛行機がきたが
雲があるので見ることができなかった。
山本さんが帰ってきた。
晝を喰べて今日は一人なので淋しく英語の練習を少しやった。
夕方掃除をしてから、飯を食べた。
二人いなくなったので淋しいな~
8月20日 月曜日 晴
今日は山本さんが笠間に行くので、私の目のさめない内に戸が開いていた。
田村君の法事は今日だ。
今日も飛行機が飛んだが姿が見えない。
一時頃晝寝をした。
三時頃から讀む練習してから算術を少しやった。
風が吹いてきたので、湯をたてまいと思ったが、
山本さんが帰って疲れるのだろうと思ったので、はかした。
馬鹿に早くわいてしまった。一人ではいってしまった。
山本さんが帰ってきた。
家の○○を持ってきた。